いわくのつけく
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短歌
1
土台だと思っていたら本体でペロッ……これは!!あの娘の(以下字足らず)
2
寸法の合わない棚を買ってきてちょっと伸ばして置いたらおトク
3
はじめてのパソコンの本分厚くてこれじゃパソコン本厚木だよ
4
焼き鳥の串をまとめて折る卑弥呼・略して焼き串まとる卑弥呼
5
どうぶつの森にうちだけ呼ばれない(二十七歳・童貞の春)
6
横取りをしかけてやめる オナニーはやめない きょうも続くよ暮らし
7
手のひらが飴でいっぱいけれどまだ見果てぬ飴を追う子どもたち
8
コールテンがなんか苦手だ 心太はむしろ好きだ そんな毎日
9
正体を知らないままで良いなんてコナンくんきっとさびしがるよ?
10
もう死んだカイロをなぜか取っておく while (春) { // まだ終わりませんか?
11
同情をされて嬉しい まだ貯める わたしの春の同情まつり
12
ルッコラをはじめて食べた。しょうがない。ルッコラ大使になったばかりに
13
明るくてよく見えるでしょ あれが星。あなたの生まれ故郷よ、と母は
14
カニカマを細かくさいてかたちどるとある異国の風の輪郭
15
掃除機のホースにまたがり、すぐ降りる うっかり飛んでしまわぬように
16
シャパシャパのカレーがたしか好きだった君をカレーに浮かべる皮肉
17
終わらないループのなかでプレステのアップデートがはじまる真昼
18
思い出し笑いの仕方をわすれそう、まあわすれたら覚えてないか
19
強風が私語をさえぎる かぜつよい かぜつよいね といいあう声を
20
神棚のない部屋に住むでもだっておれが神だし棚いらなくね
21
ゲームキャラに怒られたこと覚えてるチュートリアルでやめたゲームの
22
プレステのアップデートが長すぎる そっか、これって終わらないんだ
23
なんもない丘のうえから眺めてた丘よりしたにひろがる景色
24
伊藤園の黒い自販機かっこいい部屋ん中にも一台ほしい
25
始まれば逃げるのだろうどこかしら狂ってしまったあの街かどへ
26
道端で電源OFFになりそうで、だけどエヴァだし、そういうもんか
27
暴風の窓辺に幾度立ったろう ググれない記憶が多すぎる
28
目薬が襟を濡らしてでもおれは負けないよ よし がんばれわたし
29
駐車場に知らない車が停まってて負けじとおれも停まってみてる
30
極太のマジックペンを持ち歩くマジックペンを司る神
31
反省をすればいいってものじゃなくジャンガジャンガをする夜もある
32
シャボン玉製造機関と成り果てて耳からとめどなくシャボン玉
33
先延ばししてしまったらどうしよう(→考えるのを先延ばしする)
34
つまらない写真が撮れて朝採りのトマトも採れて かに座12位
35
見た感じぜんぶ割れてた鳩サブレちゃんと成仏できるといいね
36
からあげを食べてからでもいいですかまずは涙を拭いませんか
37
立っているだけで違反になりそうで嬉々として立ちあがるタイプだ
38
舌打ちもさまにならないのどやかな春のまにまに寄せるさざなみ
39
手羽先の骨を積みつつ飲む卑弥呼・略して手羽骨積みむ卑弥呼
40
ATMどこでしたっけ あー、いいえ。あたしが・タヒぬ・町のことです
41
塩とタレ三本ずつでボーカルにGACKTを迎え再始動した
42
イヤホンの内側は無音 蕎麦よりもほんとはうどん 擬態している
43
ポイントをこまめに使うこと 花に水をやること すべては卑弥呼
44
前髪がスープにひたる(※幸運の女神には前髪しかないので)
45
枕元に立つねりからしひょっとしておまえあの日の鳩サブレかい
46
水飲み場に誰もいなくてさみしげに薬用せっけんミューズの吐息
47
めちゃくちゃな嘘で笑える あの赤い箱に入れれば届くんだって
48
どう撮れば正解なんだゆめの国もしや撮れないのか?ゆめだから?
49
もったいないわけないだろうでもこれはそういうゲームなんだよだって
50
フリスクで目覚めたあともどこかねむそうな創英角ポップ体
51
お祈りは大事だけれどいまはまだ出席日数足りてないから
52
ひとめぼれであったらしく汁椀を脱出しようとする蟹の脚
53
日常とは死にゆくものでカレーパンのころもはらはらズボンにつもる
54
うあ苦い 特濃ミルク8.2の苦いところに当たったみたい
55
そのための指のごとくに遊戯王カードを仕分けし続ける指
56
嘘みたく冷たい朝の信号のひかりの下でほどくイヤホン
57
息の根が止まったような年末に町を覆った濃い霧のこと
58
だから何?みたいな顔でアライグマはどんなりんごもきれいに洗う
59
だって食べ物なので吹く意味はなくすぐさま砕かれる笛ラムネ
60
人びとの罪には罰の要るらしく龍角散がまずくて咽せる
61
プレステのことはもういいいまはただしょうがまみれのさいごひと口
62
液化する猫のしずかな影法師 足のふちまでしみる月光
63
さようなら、暮らし! こんなに脆いのね ハンドルネームが親に見つかる
64
Wi-fiにみんな繋がりすぎたのかゆっくりになる風の足どり
65
探偵は不倫捜査の月面で上司の爪のかけらを拾う
66
みみずってぐちゅぐちゅしててだから手でみみずを触っていたこともある
67
あなたへのアンチテーゼの意味あいで詩を書いてからご飯を食べる
68
レタスってキャベツじゃなくてでもそれはきっと大嘘だと思うから
69
この空き地、来ればもらえるおまけつきならよかったのにね 残念ね
70
寝不足でつらいしきょうは人類のオチだけ先に教えてほしい
71
塩に塩かけてつくった塩サラダはだいたい塩をかけ過ぎなんだ
72
はつなつのソビエトロシアでは僕をお揃いにするならなにがいい?
73
いまおれのものでないものどもは結局誰のものになったの
74
人生は下り特快 いつだってわたしの側は開かずの扉
75
ぶらり途中下車の旅かよ いままでも散々ひとのせいにしたのに
76
うにゃうにゃと毒づく僕を見かねてか友人Fがグラスを下げる
77
それはそれとしてどうにかなるもののどこもかしこも汚れているよ
78
おれたちは油汚れに塗れると油汚れが落ちる布だよ
79
フランケンシュタイン柄のきゃわたんなトートバッグは風に流され
80
夢ですかはいあきらめましたお土産は個包装ならべつに何でも
81
順番に案内します終末の発券ボタンを押してください
82
空調がよしなにやってくれるので空気を読まずにおしるこを買う
83
アラレちゃんの傍でくぴぽと鳴いているあの子の名前はなんだったっけ
84
熱のあるピアノソナタを聴かされて最小限の音で沸くお湯
85
歳なので見つけたとたんに痛み出す傷があるのを忘れたりする
86
最適化された日常、最適な同じ強さで握る吊り革
87
都市の孤独・街のかなしみ・雨に濡れ干し忘れてた傘かび臭い
88
あーそっかおれの息でかシャッターを切るより速く水になる雪
89
戒めとしてのいちばんぼし光る 汝、ロッピの前で電話をするな
90
他人より生きる速度がすごいので他人が剥いた蟹が食えない
91
国士無双13面待ちみたいな感覚でいつかやれると思えたならば
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しあわせとつらいみたいな僅差でして昨日も今日も間違えました
93
靴下を剥いだ素足で踊りつつ帽子をぬいでからっぽになる
94
火星人の存在だって疑っていないよこれはただの眠い目
95
そもそもが別れを前提しておらず捨てっぱぐった古着と暮らす
96
いやべつに答えがほしいわけじゃなくフライドチキンを食べたのはだれ
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ものがたりはまだまだ続く 胸躍る サンキュー冷奴 一生ついて行く
98
バンクシーのアートが選べる一〇種類!めっちゃファミリーマートですよね!
99
たとえるとすればトマトとトマホークくらい関係のないわたしがもらう
100
かもしれない運転しても曲がり角で夢を咥えたひととぶつかる