4月の短歌(2018年)

たまごかけごはんじゃねえよごはんからしたらたまごかけられごはんだ

春の陽に透かせばそりゃあ何だって春色になるよね、ハム太郎?

二階から目薬ということわざのそこはかとない春の雰囲気

「生きる」とは「ライフで受ける」選択肢しか残されていない決闘(デュエル)だ

れいぞうこあけたところでキムチしか入っていないときもあるよな

まなざしの地獄の底で誰からもまなざされない毎日である

パシフィック・リムのフィックでかがみこみ、リムで踏み切る感じでイケる

そこここが火垂るの墓で戦争というなら明日も戦争である

自意識が過剰でいつも邪魔だったのでメルカリで売っちゃったひと

知っているけど実際に見たことはないので実はないもありうる

ハロー、カップヌードルの海老たち。そして……グッバイだ(ここで静かに引き金をひく)

崩れゆくあの一瞬の波を抱きとめてくれ 愛するより速く

厚揚げの厚みを測るためだけにノギスを買いにいく昼下がり

ガンダムの青いところがぜんぶ白みたいな嘘なのにバレてない

「チャンチャン♪」と打ちこむことで終わらせるみたいに終えてしまったLINE

ネッシーは孤独な獣 白亜紀の恋を今でも引きずっている

パステルで描いた淡い地獄絵図みたいだね、僕らの住む街は

虹屋さん 虹をおひとつくださいな むやみやたらと大きなやつを

海のない町をかもめが飛んでいる おかえり。明日の見えない空へ

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